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{{ links }} ";s:4:"text";s:10855:"宇宙飛行士は、体力もあり、厳しい訓練にも耐えた、選びぬかれた人たちですが、宇宙から地球に帰還したら、身体に急に老化したような様々変化が現れるといいます。血圧の調節がうまくいかなくなる、骨からカルシウムが溶け出して骨量が減る、赤血球が減って貧血状態になる、視力が低下する、歩く時よちよち歩く、等々。これらの症状から何を想像しますか?老化した無重力状態を過ごした宇宙飛行士は本当に早く老けてしまうのでしょうか。。宇宙飛行士が宇宙で3週間過ごしただけで体力等が30%ダウンする、とよく聞きます。人は1歳、歳をとる毎に体力が1%落ちる、とも。20歳の人なら50歳のおじいさんになるような変化があるのですね。でも、実際は違うようです。1993年から2000年までNASAライフサイエンス部門の責任者をしていたそのことについて述べられています。ジェミニ計画(1966年-66年)やアポロ計画(1960年-1972年)の頃は、骨量を正確に調べるいい測定器がなかったそうですが、現在は精密に細部にわたって調べられる測定器(QTC)が開発されているそうです。そして、過去の古い測定器で調べたデータと比較したら、ほぼ同じであること、正確であったことも分かりました。新しい正確な測定器を開発したカリフォルニア大学のこの測定器で、新たな知見を得ることができたといいます。それは、大腿骨頭部と骨幹部(長い骨の真ん中あたりの部分)の違いです。大腿骨の頭部は、骨としての構造は密ではありません。体重を支えるために都合のいい、蜂の巣状の海綿骨です。この骨の場所によって、骨密度低下の率が違うことが分かったのです。しかも、蜂の巣状の海綿骨の骨密度低下が著しい、と。この骨密度低下の違いは、高齢者がよく起こすの原因の解明につながるかもしれません。重力がなくなり、骨に対する負荷が減ると、その影響は骨だけにとどまりません。骨に付着している腱や靭帯にも影響を及ぼします。骨と靭帯をつなぐ役割を果たしている脊椎を支え、脊椎同士のクッションになっている少々長くなりますが、椎間板ヘルニアの発症メカニズムについて、本の中から引用します。脊椎に対する負荷が減ると、脊椎同士の結びつきがゆるくなります。すると、その隙間に結合組織(骨の基質となるたんぱく質によってつくられた繊維状の組織)が入り込みます。椎間板の組織は次第に圧迫され、ついには椎間板の中心にある「髄核」という芯のようなものが、その圧力に負けて押し出されます。このような状態が宇宙飛行士は、宇宙から帰ってくるとリハビリトレーニングをします。衰えたアキレス腱を切ったりしないよう、筋力トレーニングは慎重に行われます。最初は軽いウェイトトレーニングから始め、徐々に負荷をかけていきます。背筋や全身の筋肉も鍛えていき、それほど時間をかけずに、このトレーニングで宇宙に行く前の状態に戻すことができるのです。さて、高齢の方が万が一、大腿骨を骨折してしまったら、どうしたらいいでしょうか。宇宙飛行士ほど筋力も骨量もない私たちの場合、たとえば長いことベッド上で療養を続けたあとは、宇宙飛行士がやる以上に慎重にリハビリを行う必要があります。特に高齢者のリハビリは一歩一歩前に進むことが肝要です。今私たちは、骨折をしてしまった後どうするか、を考えるよりも、どうやら普段の生活が、宇宙に行っている時と同じ無重力状態の生活になっていないか、考えてみる必要があるかもしれませんね。歩いて数分で行けるコンビニやスーパーに車で乗りつける。普段はエレベーター、エスカレーターを多用し、週に数回だけスポーツジムで運動する。これなどは、重力のない宇宙と同じ環境なのではないでしょうか。宇宙では、ほとんど重力がありません。一方、この地球上で私たちは、重力の影響を受けて暮らしています。歳をとるにつれて重力に屈服する度合いが大きくなり、座って過ごすことが多くなります。横になっているほうが楽に感じるようになります。一昔前は、牛馬を用いて畑を耕したり、薪を割って燃やしたり、ごくあたりまえに身体を動かして仕事をしていました。しかしいまでは、自動車や自動芝刈り機、家事労働を楽にしてくれるさまざまな道具など、便利な発明の助けを借りれば、肉体的にきつい仕事をしないですみます。宇宙飛行士は無重力の宇宙での生活で、老化にも似た様々な変化を身体の中に起こすことが分かりました。しかし、その様々な身体の変化は、その後のリハビリトレーニングによって、元に戻ります。このことを私たちの場合にあてはめると、どうなるのでしょうか。無重力状態が、宇宙飛行士の一ヶ月間という短期間ではなく、年単位、十数年単位という長期間だったら。しかもトレーニングも何もしなかったとしたら。恐ろしくなりませんか? その症状が元に戻らないのですよ。こんなことが現実になったら困りますね。・(無重力状態が続いて)骨量が極端に少なくなる。・転倒した時に、大腿骨を骨折する。・ベッドの上での生活となる。・普段の生活よりも、重力を感じない生活環境を余儀なくされる。・動かない生活から、動けない生活になる。・ますます骨量が減る生活となる。こうなってしまうと、骨折⇒ベッドでの生活⇒寝たきりの生活への流れを止めることは難しいでしょう。このような生活の第一歩は、重力を味方にしない生活、身体にとって便利な生活です。ほんの些細なことから始まります。歩いて2、3分で行けるところをクルマに乗って行くことです。寝っ転がって、テレビを観ることです。身体を動かさないで、リモコンを多用することです。京都大学大学院の「立ってできることは、立ってする」「階段を見つけたら、ありがとうと言って、自分の足で上る」重力を避けるのではなく、重力を活かした生活をすることが大切ですね。最後に、ジョーン・ヴァーニカス博士の「この記事を締めくくります。老化の問題について考えれば考えるほど、私は、老化による多くの症状は、重力というのは、一見私たちにとって、筋肉疲労をもたらしたり、マイナスのことしかしてくれていないようでいて、実際は身体にとってなくては、ならないものだったのです。その重力はいつもそこにあるにもかかわらず、それを利用しない限り、健康にとって意味がないばかりでなく、むしろ悪者になってしまうのです。現代の生活習慣に身体を慣らしてしまった人は、この地球上に存在する限り、重力の影響をまったく受けないことはあり得ませんから、どれほど重力を避けようとしても、完全にその影響を免れることはできません。だから、身体に楽な生活によって蒙る変化が深刻な問題となって現れるまでには、長い時間がかかります。でも、このようにはいえます。「 最後の一文は、少々分かりづらい文章ですが、重力の恩恵を避ける人は、重力の恩恵を活かしている人と比べて、早く老けますよ、と教えてくれています。まるで重力の恩恵を避けているような生活を続けていけば、歳をとってから辛い症状に悩まされる原因を作っていくことにになります。 宇宙飛行士から学ぶ老化と重力の話いかがでしたでしょうか。最後まで読んでくださり、ありがとうございました。